薩摩近録 - 最近の鹿児島 45
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示現流では、稽古で使う木刀(ユス)は全て自分達で調達します。そして伐採時期は真冬に行きます。
真冬だとユスが乾燥していて、水分の極力少ない身の締まったユスが採れるためです。どうしても人手が必要になるので、正月も明けた1月中旬から下旬の、仕事が休みの人が多い日曜日に行くことが多くなります。
ユスも以前は市内の山でも見かけたと聞きますが、近年は稽古場のある天文館から車で 一時間から遠いところだと三時間くらいの山まで出かけます。
その時に忘れてはならないのが、焼酎。
我々が飲むためのものではなく、山の所有者のご好意によりユスを採らせていただくので、そのお礼にとして欠かせないものだからです。
次に、山に生えているすべてのユスを採っていい訳でもありません。
目指すのは、陽の当たらない北斜面に生えている成長が遅くて年輪が細かく詰まっているユスを採ります。
普段、斜面で力仕事をしている訳でもないので、採りに行く採りに行く人たちにはそれ相応に厳しい条件となりますが、これも流派の先達たちがしてきたことですし、しっかりとした稽古をするための準備でもあります。
そして難しいのが、ユスの木の判別です。ユスの木は、サカキやツバキに酷似しているので、不慣れな人ではなかなか判別が難しいです。
ただ特徴としては葉や実に虫こぶがつくので、それがひとつの目印になりますが、難しいことには大して変わりはありません。
目利きのベテランになると、皮に走る白い横筋や匂いで割と簡単に判別できるようです。
そして切ってまとめて山から下ろすのは重労働になりますので、朝から出かけて昼食を挟み丸一日作業となります。
ただ採ってきてすぐに木刀として使えるのではなく、完全に水分を無くすために稽古場の脇に保存して五年は陰干しさせます。
ここまでユスにこだわる理由の一つとして、ユスは打ち合って折れたときに樫などのように真っ二つに分断されることが殆どないため、相手を傷つける頻度が低いということがあります。
木刀どうしを打ち合わせる型を持つ示現流ですので、ユスの傷みは激しいですが、稽古中に相手を怪我させないという前提に、その道具にも拘っているのです。
※この薩摩近録は、再掲載はしておりません。掲載更改は不定期です。
最新内容
●2012年01月06日
「薩摩近録 - 最近の鹿児島 45」 の内容を変更しました。
●2012年01月01日
「薩摩近録 - 最近の鹿児島 44」 の内容を変更しました。
最新更新日 : 2012-01-06